退院後の痛みの日々



やっぱり痛い

 Sクリニックで抗生剤をもらって一安心。 おそらく,感染症は快方へ向かうはずだ。
退院直後,3日間は徐々にだけど痛みは引いてきた。 ただし,痛みなんて精神的な面が大きいから, I大学病院を退院した ということだけで,けっこう痛みが少なくなったりする。
けど,まだ,痛み止めなしでは食事はできない。 Sクリニックボルタレン錠を1日2錠処方してくれている。 だから,食事は全く問題がなく,何でも食べれる。

ちょっとマシになったかな?

退院5日後,かなりよくはなってきた。 朝起きたときの痛みも,それほどでもない。 朝は痛み止めを我慢して, プロテイン・ゼリーの朝食をとり, 夜に,痛み止めを1錠だけ飲んで,たっぷり夕食をとる。
なかなか快適な生活だ。

やっと薬終了

退院後,1週間,Sクリニックに行くと,先生が
よくなってますねぇ。
と,まるで自分のことのように喜んでくださいました。
もう薬はいらんでしょう!と神のお声。
やっと投薬終了。 どうやら感染症が治まったらようで,抗生物質は終わった。 痛み止めも,まだ少々痛いけど,何とかなしで食事できるレベルだ。 けど,用心のためにボルタレンは持ち歩く。
運動開始の許可ももらったので,ランニングも開始する。

7月22日・東京出張

 横浜の客先に出張したついでに,国際展示場の「ワイヤレス・ショー」に行った。 このとき,喉が渇いたので,何気なく 生パインジュースを飲んだ。 もう,コーラも飲んでいるし, オレンジジュースも飲んでいる。 何の疑いもなく,ごっくん,ごっくんとやった。
ところが,帰りのタクシーの中で激痛
喉が焼けるように痛い。
東京駅に着いて,あわててミネラルウォータを買う。 1本飲んでも痛みは治まらない。
サンドイッチを買い,さらに,もう1本ミネラルウォータを買い, サンドイッチを食べながら,喉を洗い流す。 これでやっと,痛みが治まる。
いやぁ,偉い目に会った
これは,小川説によると,生のパインに含まれている, ブロメラインという消化酵素が, まだ完全に再生されていない口内粘膜のたんぱく質を溶かすため,らしい。
が,この酵素は,痛んだ組織をきれにするという薬にも使われる。
事実,この後,喉の痛みが減少したような気がする。 (あくまで気です)

本格的なトレーニング開始

 7月24日に久々にスポーツジムへ行く。 1ヶ月サボってたので,軽めの負荷から順次上げてゆく。 筋肉が悲鳴をあげる。
 週が明けて, THCの倉田先生に体を見てもらう。 入院時も,真面目にゴムチューブでローテータカフの運動だけはやっていたので, 筋力は落ちているけど,関節可動域は落ちていないとのこと。

退院後2週間

 やっと,2週間経過。喉はほとんど痛くないし,食事も普通にできる。が, あくびをしたら猛烈に痛い。 正味の眠気覚ましである。
*****
 ちょっと心配なのは,まだ,舌先が痺れていることだ。 どうやら,手術時,よっぽどきつく舌を押さえ込んだようだ。 そりゃあ,人の口だ。大きく広げた方が操作し易い。 舌先5mmx幅20mmくらいの部分の味覚が鈍感で,熱さだけ,敏感になっていて, 猫舌である。

退院後3週間

 早いモンで退院して,もう3週間経った。手術してほぼ1ヶ月だ。 まだ,あくびをしたら少し痛いけど,それ以外は ほんの少し違和感を感じる程度の痛みになった。 カレーを食っても問題なし。 ただし,まだ,舌先は痺れが残っている。
 SクリニックのS先生も,順調に治ってると言って下さってる。 完治まであとわずか。

口内炎がぁぁあ

やっと喉の痛みが治ったと思ったら,今度は下歯茎の向かい側のほっぺたの内側が,やけに痛い。 それも両側で,ほぼ対象の位置。鏡で除くと口内炎のようだ。
早速S先生に見てもらう。 手術中に傷付けられて,今まで気がつかなかった,と,思っていたら, S先生は,手術とは無関係とおっしゃる。
きっと痛い思いしたストレスのせいでしょう
ほんまかいな? と少し疑る。
口内炎にはビタビンB6。レバーと納豆とヨーグルトを食べまくる。
で,寝る前には,S先生に出していただいた薬を丁寧に塗る。 2,3日するとかなりマシになったけど,まだ,左側がひつこく痛い。

診断書騒動

 退院後しばらくして,保険の請求のため診断書が必要なことが分かった。
とりあえずI大学病院に電話をして手続きの方法を聞いてみる。 ところが,電話に出た受付嬢が訳の分からないことを言う。 なんでも 主治医に確認しないと診断書が出せるかどうかは分からない とのこと。 てっきり郵送すればいいと思ってた私は,
それほど甘くはない
ということにまたここで認識したのであった。
 いろんな課に電話をかけて判明した結論は,
診断書をもらうには主治医に直接手渡してお願いする しか方法はないらしい。
主治医にお会いするには診察予約を取るしか道はないらしい。 しょうがないので予約をとる。
お偉い先生は忙しいようだ。 20日後の日を指定される。 それから1週間後に取りに行くとのこと。
なんと診断書をもらうのに1ヶ月かかる。
本人以外の人間に病状が漏れること防ぐためだと言う。
 20日後,忙しい中,診断書の用紙を渡すためだけにI大学病院に行く。 不思議なことに主治医のM医師は不在。別の医師が受け取る。 なんじゃこれは! と思ったけど,診断書をもらえないと困るのでニコニコしておく。
 それから1週間後,電話で確認してから,またまたI大学病院に取りに行く。 もちろん身元の確認なんかはしない。結局のところつまらないマニュアルどおり の作業で,患者に迷惑をかけていることなんぞ,これっぽちも考えてないようだ。
 大学病院関係者に聞くところによると,
診断書は入院中に申し込む というのが常識らしい。
 確かにI大学病院の入院案内を読むと,そう書いてある。
初めて大学病院に入院する人は知らんわなぁ。
 入院のとき,しょうもない給湯器の位置とか,便所の場所とか説明するより, 診断書のことを説明しろよな。
 どこまでも患者無視のI大学病院だった。

退院後1ヶ月

まだ少し舌先が痺れている。 喉の奥は引きつった感じがするだけで痛みはない。 左側の口内炎が少しのこっている。
まぁ,生活をする分には全く異常がない。 これで完治ということなのかな?

手術後3ヶ月

 月日の経つのは早いもので,あれほど大騒ぎした(と言っても騒いでたのは僕だけ) 手術から3ヶ月経った。
もちろん痛みはゼロであるし,社内に風邪が流行っても,無事に元気な毎日を過ごしている。
と言っても全く何も無いわけではない。
 まず左足を痛めて走れなくなった。 これは,もちろん扁桃腺とは無関係で見栄を張って少し早く走り過ぎたために起こった障害だ。
やっと左足の痛みが引いたと思ったら,今度は結膜炎になってしまった。 メバチコ(ものもらい)は時々煩っていたが,結膜炎は初めて。 それもアレルギー性だと診断された。ステロイド点眼剤でやっと治ったところだ。
 さて,喉の状態は完全かと言うと,そうでもない。 扁桃腺除去後遺障害として,教科書的には以下の3つが挙げられる。
  1. 微妙な声変わり
  2. 鼻咽腔閉鎖不全
  3. 味覚障害
 最初の声変わりは,声帯ポリープを除去してるので,当然,元の声に戻っているはずだ。 ところが,本当に元の声かどうか自分自身を含め誰も分からない。まぁ,元に戻ったのだろう。 少しくらい違っても歌手じゃないんだから,ぜんぜん問題なし。
 次の鼻咽腔閉鎖不全とは,口から食べたものが鼻へ逆流することらしい。 めったに起こらないらしいが,私の場合,ときどき起こる。 あわてて食べると,ご飯粒なんかが鼻の穴から出てくる。 これは,徐々にマシにはなってきてると思う。 多分,扁桃腺が鼻を塞いでいたのに,急に無くなったもんだから, 体の制御がうまくいってないものと思われる。
 最後の味覚障害は,けっこう酷い状態だ。 もっとも舌の痺れは無くなっており,舌での味覚は正常なので, いわゆる亜鉛欠乏性味覚障害とは異なる。 喉の奥で感じる味覚のようなものがヘンなのである。 これが喉越しの感覚のことなのかぁ? 扁桃腺を削除して新たに作られた粘膜が,やけに分厚く,なぜか喉の奥が酸っぱく感じる。 まぁ,これも徐々にマシになるだろうと祈っている。

最後に...

 100%の健康を目指せばロクなことはない。
多少のことは目を瞑り,病気と気長くお付き合いするつもりで生きていくのがよさそうだ。  今回は声帯ポリープがあったので,扁桃腺除去手術という方法をとったけど, これが正解だったかどうかは誰も分からない。
 この闘病日誌がこれから声帯ポリープ,扁桃腺を削除する人に役に立てば幸いです。


入院記TOPへ戻る