マイクロン CX (Micron CX)



二重反転ヘリとの出会い

最初からシングルロータはあかんやろという小野君の助言に従い, 懲りずに,またMicronを選んだ。
例によって,日本国内では販売されておらず, また,トラブル続きの Precision Heli から購入する。
とにかく遅い。メールしても連絡なし。 やっぱり最悪で,スワッシュ・ピンは最初から折れているは, デカールは入ってないは,もう無茶苦茶である。
香港の ミラクルマート を見習いなさい。

受信機とサーボ

製品が到着するまで,分からなかったんだけど, Micorn CXは2種類ある。CXCX 3.7は中身が全く異なる。
すなわち,CXはBlue Arrowの4in1受信機とサーボを使っている。
CX 3.7は,なんと,中身は WALKERA 5#6 と同じなのだ。
新しい方がいい,とか思って,気軽にCX 3.7を注文したけど, Walkera受信機はJRのプロポが使えないのだ。
ショック!
いろいろ試してけどダメで,結局のところ,小川君の Walkera Computer Propo を貸してもらうことになった。

Walkeraの受信機はBlue Arrowよりもはるかに感度がいい。 アンテナ線を巻き込んでいても,ほとんど問題はない。 ただし,Propoはタコなので,痛し痒しである。

足の作成

やっぱり,まず最初に壊したのは足。 どうもMicron製の足はすぐに折れる。(僕だけ?)
いくら修理しても限がないので,少し大きめのをつくることにした。
まず,オリジナルの足(Strut)から, メインフレームと足を止める部分を切り出す。0.8mmの糸鋸で溝を掘る。 0.8mmのピアノ線を曲げてStrutの部分を2個作り, 中心部分に切り出したプラをエポキシで固める。
次に2.6mmのアルミパイプを曲げてSkidの部分を作る。 Strutを差し込む穴をピンバイスで開けて,全体を組み立てる。
SkidとStrutは木綿糸でしっかり縛って,瞬接を流し込んで完成。

電池の取り付け

Micron電池の取り付け方法は最悪だ。なんと,モータに両面テープで貼り付けてある。
そこで,他の電池も簡単に取り付けられるように改造する。
もともと,CXのフレームは2セル用の電池が入るようになっていたので, 電池取付部分が広すぎるのである。
そこで,2mmのプラ版を切ってフレーム切りかきに瞬接で接着し,狭くしてやる。
これだけの改造でも大丈夫なんだけど,もっと薄い電池を使えるように, ゴムの止め金具を追加する。
後部のプラの突起に0.8mmのピンバイスで慎重に穴を開けて, 先を軽く曲げた0.8mmのピアノ線を,瞬接と共に差し込む。

電池コネクタ

オリジナルのコネクタが日本で入手できない。
そこで,他のリポ電池を使うため,簡単に入手できるEIコネクタに変更した。
プラグ側のリード取付タイプがなかったので,基板用にリード線を半田付けして, 周りをエポキシで固めてある。
1セルの機体は全てこのコネクタで統一した。

これはクラフトルームで購入した,1セル500mAH(10C)のリポ電池である。
オリジナルは400mAH(10C)なので,幾分沢山飛べる。




少し重くなった

もろろろの改造を施すと,オリジナルより少し重くなってしまった。
電池を含めて66gというところ。
キャノピーが重過ぎる。 キャノピーを軽くすると,もっと軽快に飛ぶはずだ。



リンク・ボールの補修

壁にブチ当てたとき,当たり所が悪いとスワッシュ・プレートから飛び出ているリンク・ボールが吹っ飛ぶ。普通はスワッシュ交換なんだけど,ここでメゲてはいけない。ちゃんと修理できるのだ。
折れたリンク・ボールの軸の真ん中に0.5mmの穴をピンパイスで開ける。 細い部分の中心に穴を開けるコツは,最初に針を熱して, 中心部分に小さな凹みを作っておく。 その後,精神を統一してピンバイスで真っ直ぐに穴を開ける。
もっとも,これだの集中力は,操縦に使えばいいという意見もあるが, 僕たちはそうは考えない。
リンク・ボールの穴の中に0.5mmのピアノ線を瞬接を付けて差込む。
スワッシュ側も同様に0.5mmの穴をあけ,リンク・ボールのピアノ線を差込む。
瞬接を流しながら押し込めば完成。
これでオリジナルより強くなる。

リンク棒の補修

リンク・ボールが強くなると,今度はリンク棒の輪っかが折れる。
だいたい,二重反転でそんなに強く当てる方がおかしいんだけど, 我ラジコンクラブは,そういう風には考えない。
折れたら交換なんだけど,販売店はPrecision Heliしかない。 発注してもなかなか部品は届かない。これは修理するしかない。
銀紙と一緒に割れた輪っかの部分を瞬接で接着する。 十分乾燥させた後,余分な銀紙をヤスリで削りとる。
輪っかの内側のはみ出た接着剤をルータで軽く削り,滑らかにする。
これで,オリジナルより強度が出る。

キャノピー支持棒の修理

真正面から壁に激突すると,キャノピーが衝撃を吸収してくれるが, もっと強いと,当然のことながらキャノピーを支持している棒が折れる。
折れた部分をヤスリで平らにして,1mmの穴をピンバイスで開ける。
そこに1.2mmのビスを捻じ込む。 ビスの頭にエポキシ接着剤を塗って丸くすれば修理完了。
完成は下の剛性の向上の写真参照。


スタビライザーを新しく作る

何度も壁にブチ当てていると, 当然のことながら,スタビライザーがポッキリ折れてしまった。 オリジナルはロータヘッド部分に穴を開けて,カーボンシャフトを差込み接着。 この取付穴がシャフトで埋まってしまってどうしようも修理できない。
そこで新しくスタビライザーの支持具を作ることにした。
ちょうど接着のための穴がロータヘッドに開いているので,ここを2.4mmに広げる。 その穴に2.4mmのアルミパイプに1mmの竪穴を開けて差込む。 同じものを反対側に作ると,スタビの支持具が出来上がる。

カーボンシャフトを適当に切って支持具の穴に通す。 丁寧にバランスをとって,センターを決める。
適当な錘を両端につければ完成。 私は基板スペーサを加工して作った。ナットの数で重さを調整できる。 小野君がモデラーでかっこいいのを作ってくれるらしい。


そろそろCXも満身創痍。
遅まきながら,どうして,こんなに激突するんだろうと疑問が持ち上がった。
激突するまでの挙動をよく観察すると,ミソスリを始めたあと, ミソスリ直径がだんだん大きくなってゆき制御不能。で,激突。

スワッシュ・プレートの安定化

どうもメカのガタに関係があるみたいだ。
とりあえず,スワッシュ・プレートのガタをとることにした。
スワッシュ回転止め棒は最初から折れていたので, Micron V2 と同じようにしてピアノ線とステンレスパイプで作った。
上下のガタを抑えるため,Oリンクを入れた。 これで,スワッシュのガタはなくなり,かなり飛行特性がよくなった。


ロータヘッドの安定化

まだ少しフラつくので,原因を探ってみる。 どうやら,ロータヘッドのガタが影響しているようだ。
Micron CXはベアリングを全く使ってない。 ロータヘッドの支持は頼りないネジ2本。これではダメだ。
そこで,センターシャフトのヘッド部分に内径1.5mmのステレンスパイプを接着する。
両脇を丁寧に紙ヤスリで平らにする。
1.5mmのピアノ線にタミアのギアオイルを付けて,ヘッド部分のステレンスパイプに差込, 何度か回して当りを付ける。
ブレード・グリップをはめ込み,当りをつけた1.5mmのピアノ線を貫通させ,切断する。
その後,瞬接を少し流して固定する。
これでガタなし。


下側のブレード・グリップも同様に,ステレンスパイプとピアノ線で加工する。
ただし,当然のことながら,下側は貫通してはいけない。
分割して,2本のピアノ線で固定する。

これで,だいぶまともに飛ぶようになった。
が,寿命は短い。

サーボの交換

しばらく,まともに飛ばしていると,今度はWalkeraのサーボがいかれた。
多分10時間くらいの寿命だろう。次々とおかしくなる。
位置情報を取得するポテンションメータの接触が悪くなり, 一定位置で停止せずにガタガタとビビルのである。
分解して,CRC-55を拭くと一時的によくなる。


少し時間がたつと,すぐに同じ現象。
こうなると,新品に交換するしかない。
本当はWalkeraじゃなくて,別のサーボに取り替えたかったんだけど, この受信機でちゃんと動く軽量サーボが,まだ見つかってない。
Micron CX 3.7のサーボ取付方法は最悪で, もともとBlue Arrowのサーボがはまるスペースに無理矢理ホットボンドで止めてある。 もう無茶苦茶。外すのに苦労しまくり。
もともとのWalkeraのサーボは裏側に2個の取り付け突起があり, これを利用して止めるようになっている。Micronではこの突起を削り落としている。
メイン・フレームのサーボ置場に1.3mmのサーボ取付穴を慎重に開ける。
ノギスでよく寸法を測って穴位置を決める。
新しいサーボを取り付け,爪楊枝でほんの少しだけ瞬接を流す。

剛性の向上

サーボを支える棒の位置がBlue Arrow用なので,少し寸法が足らない。
そこで,2mmのプラ板を切って,不足部分に瞬接で接着してやる。
サーボ側も接着すると,フレーム全体の剛性がかなり向上する。



やっとのことで飛ばせるようになったMicron CXであるが, いかんせん,作りが悪すぎる
アウター・シャフトにもインナー・シャフトにもベアリングを使ってないため, だんだん,だんだん,ガタが増えてくる。
基本構造だけ見れば, WALKERA 5#6 の方が余程しっかりしてる。


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