ペイ・フォワード


 監督が監督なのでそれほど期待してなかった。 ケビン君が好きなので見に行った。 ちょっとくさいけど,メルヘンとして面白かった ハッピーエンドじゃあないところが泣かせる。
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 物語はラスベガスで始まる。 昨年,社員旅行で行ったばっかりなので,風景に馴染みが深い。 ラスベガスの学校での物語だ。
 一風変わったケビン先生がやってきて,問題を出す。 その答えが,この映画の題名であるPay forwardだ。 日本政府が大好きな言葉先送りである。
 ハーレイ君がいろいろ努力する。 徐々に結果が出てくるところがメルヘンだ。 世の中そんなに甘くはないぞ,と,言ってしまえばオシマイで, メルヘンとして彼の努力に拍手する。
 このケビン先生,生徒の親とやってしまう。 おい,おい,いいのかよと思ってしまう。 日本だったら大問題だ。 この物語にはどうでもいいような設定だ。 どう考えても分からん。単なるサービス?
 この映画,現在と3ヶ月前を前後して進行する構成となってる。 注意して見てないと,今,どちらの進行を描いてるのかこんがらがる。 けっこう自然に移り変っているんだけど, 何か妙に懲りすぎていて,物語を分かりにくくしている。 単に時系列にした方がすっきりまとまったんじゃあないの。 真昼の決闘の進行も悪くはない。
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 皆が幸せになる方法 単純な問題だけど奥が深い。 宗教的でもある。 自分が幸せになる方法ですら分からないのに, 他人の幸せまで分かるわけがない。
 皆が自分の幸せを追いかけるギズギスした世の中, 他人の幸せについて考える時間を持つのも悪くは無い。 結局,その余裕って,自分が幸せな環境にいるからなんだろう。
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 この映画の,ご教訓
・やっぱり煙草より酒の方がタチ悪いゾ!
・やっぱり先送りはいけないと思う。
・やっぱり米国は怖いところだ。

独断的映画評論2001年版目次へ戻る