アタック・ナンバー・ハーフ


心の底から笑いたい気分だったので,はじめてのタイ映画を選んでみた。 結果は 単純に面白かった の一言につきる。
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 物語はオカマのバレーボール・チームが国体で優勝するまでを描いている。 ストーリ自体は単純で, 音楽も映像も凝った作りではない。 けど,面白いのである。 日本の映画館で,これほど観客席が笑いで埋まる映画も珍しい。 思わず笑いが声に出てしまうくらい,面白いのである。
 この映画の面白さの原点はオカマである。 世間にはオカマネタは多いが, これほどスマートに嫌味なく処理された映画は初めてである。 たいていのオカマネタは,余りにもオカマが強調されすぎていて, 白けてしまう。
 その点この映画では, 女でもなく男でもないオカマを実に自然な仕草で撮っている。 私は最後まで,ピアちゃんは女優が演じてるものと思っていた。 エンディング・ロールに実際の試合風景が流れるが, 実物の方がナヨナヨして,ワザとらしかった。
 少し残念なのは,バレーボールの試合映像がオソマツなことである。 試合の迫力がほとんど感じられない。 もっとも制作費用をケチってるんだから,しょうがないと言えばしょうがない。 香港映画と違い,タイ映画の特徴かもしれない。 どちらにしろ,それくらいは面白さには全く影響していない。
 苦労したのは言語である。 さっぱり分からん。 一言も分からん。 必死で字幕を追うだけど,そうすると演技を見落とす。 困ったもんだ。DVDになって日本語になったら, 違った面白さを発見できるような気がする。
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 この物語, 公式ホームページ によると, どうやら実話らしい。 オカマが優勝するタイの国体も面白いけど, バレーボールができるオカマが5人もいる, というのも驚異だ。
 さらに, 公式ホームページ によると, オカマのピアを演じてるのは,ぜったい本当の女性だと思ってたけど, 違うらしい。本物のオカマ。 ううぅ〜ん。こりゃ凄い。どう見てもだ。 日本女性よ。油断できないぞよ。
 さらに, 公式ホームページ によると, 制作費がUS27ドル となっている。多分桁が間違ってると思うけど, どっちにしろ,大した金額じゃあないはずだ。 日本映画よ。もっと頑張れ!!!
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 この映画の,ご教訓
・タイのオカマはバレーボールが得意だ。
・タイ語は難しい。
・タイでもオカマは迫害される。

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