トラフィック


 公開前のド派手な予告編を見て,随分期待していた。 ところが, 予告編から想像していた映画とは随分異なる作りだった。 少々がっかりしたけど, それは,作りの悪さを示しているわけじゃあない。 ストーリ展開が私の好みじゃなかっただけである。
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 物語は米国に根付く麻薬を 描き出すところから始まる。 極普通の高校生が麻薬に走る。 真実かはどうかは知らんけど,ありそうな話だ。
 米国とメキシコの場面が目くるめく移り変わる。 そして,全体的に暗いイメージの映像が続く。 さらに,よく理解できない会話が続く。 要するに,なぜ簡単に密輸ルートが潰せないか, ということが,全く分からん。 大変な作戦なんだ,と,何となく感じる程度だ。 だから,余計に緊迫感に欠け,暗さだけが先行してまう。
 特に銃撃戦は迫力が無さ過ぎる。 真実の銃撃戦というのは,そんなもんかもしれないが, あっさりしすぎてる。 沢山の物語を詰め込もうとした結果, 盛り上がりがなくなってしまった,という感じだ。
 そらなら,麻薬患者の集いなんかは余計なシーンと思えてならない。 マイケル君のバカ娘が立ち直ろうが,破滅しようが, この物語には無関係じゃないの? と言いたい。
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 相変わらず,米国では麻薬が蔓延してるようだ。 煙草と同様,吸う奴が悪いんじゃなくて, 提供する方が悪い,という論理なようだ。 個人主義の発達した国とは思えない論理だけど, それほど,人間の意志は弱いということか。 それなら,煙草くらい自由に吸わせてやって, コカインに走らないようにすべきじゃあないか,と,思う。
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 この映画の,ご教訓
・予告編は信用してはいけない。
・良い子の皆さんは麻薬なんて手をだしちゃあ駄目よ。

独断的映画評論2001年版目次へ戻る