アンブレイカブル


 久々の映画で何を見るか大いに迷った。 オカルト大嫌いな私めは アンブレイカブル映画案内を読んで, かなり不安だったけど,結局大好きなウィリス君に決めた。 結果は 確かに時間はアッという間に過ぎたが,何かモヤモヤが残る映画だった。 以下は,まだ見てない人は読まない方がいいかもしれない。
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 予告編ではミステリということだった。 ところが,ところが,これは紛れも無いオカルト映画。 シックス・センス と全く同じノリ。真剣に考えたら腹が立つ。 今回の場合は最初からオカルトって分かっていたから, 別に結末を見てもどってことなかったけど。。。。
 大筋は怪我をしないウィルス君がヒーロになる物語なんだけど, その根拠がアメコミじゃあトホホだ。 大の大人が2人も3人も寄ってアメコミのヒーロを真剣に語る姿は, 演技が真に迫っているだけに,面白くてしようがない。 けど誰も笑わない。日本人はおとなしい。 きっと米国の映画館では大爆笑だったと思う。 我社にも漫画の話を真剣にする奴は何人かいる。 だからと言って,ゴルゴ13を探そうとする奴は居ない。 なぜならゴルゴは無用に探す奴を許さないからだ。(と思う)
 オカルト映画としては,きっと上出来な映画なんだろう。 ストーリのルールは明確だったし, テンポも速い。 映像も凝っていたし,色彩も申し分ない。 音楽も悪くはない。 ウィルス君もサミエル君も真剣だ。 とにかく面白い。 ただし,それだけだ。 ちょうどB級アクションを見たときのような気分になれる。
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 あちらこちらの映画評論を読むと, シャマランマジックを絶賛してるのが多い。 素直に考えてみると, だいたいオカルト映画にトリックマジックも無い。 オカルトなんだから,何でもあり。 怪我をしない人間がいたとしても不思議じゃあないし, コミックのヒーロを探すために無差別大量テロを繰り返すキ印が 登場してもかまわない。 私はいったい何が秘密なのかさっぱり分からんかった。
 それよりも何よりも,この映画の意味は別のところにあると思えてしょうがない。 健康な人間病弱な人間の物語, その反面教師として,この映画を見てみるといろんな示唆が見えてくる。 おおよそ,病弱な人間の方が他人への思いやりは深いようだ。 苦しみを知ってる人間こそがヒーロなんだ。
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 この映画の,ご教訓
・漫画は漫画だ!
・ヒーロに推薦されても止した方がいいだろう。
・ヒーロを試してはいけない。
・怪我をしない奴は嫌いだ!

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