手術前日:再入院


 今日は月曜日。8時30分から会議のある日だ。 あまり眠ってないけど,とにかく8時頃出社する。 会議は始まり,やがて終わった。
いよ,いよ,出発だ。

本格入院開始

 T大学病院に到着すると,早速,詰め所に出向き, 帰ってきたことを知らせる。 親切な看護婦さんが個室の鍵を開けてくれる。
 しばらくすると,婦長さんが挨拶に見えられた。
「この部屋,煙草臭い。!矢野さん,煙草吸ったでしょ!」
と表面上はニコニコ顔でおっしゃられる。
「いや,吸ってませんけど」あわてて否定する。
「吸うなら,敷地外でお願いしますね。」
ちょっと怒った顔になる。
「いや,禁煙してますけど。。。。。」
「この部屋は窓が開かないから,吸うと煙感知器が働きますよ!」
全く信じてくれない。
「すいません」と,とりあえず謝りつつ,
「本当に吸ってないんですよぉぉぉ」と言い訳する。
「別に吸ってもいいんですけどね,外でお願いしますね。」
「吸ってないですぅぅぅ。」
言い訳すれば,するほど, 婦長さんはまるで信じてない
俺は高校生か!
この原因は藤田君だ。会議中, 僕の髪の毛に煙草の煙をさんざん吹きかけた。 それが臭いの原因だ。
グレてやる!

手術の説明

 15時に主治医のM医師がやってきて,手術の説明があった。 まずは,扁桃腺の手術から医学パネルを使って説明してくれる。 とにかく,年なんで,癒着が激しいので,痛いぞと脅される。
 声帯ポリープの方も,手術方法を丁寧に説明していただく。 よっぽど,ドジな失敗をしない限り,声が出なくなることはあるまい。 と,高をくくる。

手術前日

 手術の前日と言っても,やることは何も無い。 お風呂に入って体を綺麗にして,患者間違いのないようにタグを付けてもらう。
固形物は21時まで,液体は午前0時までに摂取,と告げられる。
手術を受けられる方へという術前・術後の予定表をもらう。
これによると,手術後5日間発声禁止と印刷してあるのに, 発声禁止の日付は7月13日と手書きしてある。 計算まちがっている。 いや,土日を除いた営業日だけ足すとそうなる。
 看護婦さんに聞いてみる。
「本当,おかしいですね,どっちが間違っているんですねぇ」 とあどけない笑顔で答える。
 どっちがじゃなくて普通は印刷の方が正しくて, 手書き,すなわち日付の方が間違ってると考えないのか?
*****
 後からM医師がやってきて,7日間だって言い張る。 どうやら,発声禁止期間が延びたみたいだ。 まぁ,それほど不便はないか。
何しろ,こちらには東芝LaLa Voiceという強い味方がある。 かつて,父が肺癌で手術したときは, 陸軍出身の父にモールス信号で意思を伝えてもらった。 もちろん,分かるのは家族で僕だけ。
 それを考えると,コンピュータ音声とは言え, よく聞けば,言いたいことの9割以上は伝わるはずだ。 何の心配もない。
このとき,これがおおきな間違いであることに誰も気付いていなかった。

PC環境

 パソコンを使うための電源を確保する。流石に病院,電源はいたるところにある。 赤く塗っているのが,停電時,自家発電するコンセントだ。 なぜか,ベッド自体の電源は赤コンセントに入ってる。 PCは遠慮して,白コンセントにつなぐ。

ネットワーク環境は,というと, 今回,こっそり,FreePinSというPHSカードを装着してきた。 病院内は携帯電話もPHSも全面禁止だけど,PHSカードだと,見た目は分からない。 可愛い,小さなアンテナが立ってるだけだ。
ところが,これが,しょっちゅう切れる。 ベッドの上だと使い物にならない。 しょうがないので,窓際に移動する。

 そんな,こんな,で夜は更けてゆき, この日記を書いたり,仕事を片付けたりしていた。 とりあえず,ネット環境があると,仕事のメールは不自由はしない。
 今回の入院は,もう1つの目的があり, ずっと懸案事項になっていた単行本の執筆だ。 ありがたいことに,この環境なら,間違いなく集中できる。 まるで,ホテルに缶詰になった気分で執筆の勤しもう。
朝が早かったので, 睡眠薬の助けも借りずに,午前0時頃には寝入っていた。
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 本日のご教訓
・敵はなかなか間違いを認めないゾ!
・PHSはビルの中では使えない
・煙草に近づいたらあかん

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