発声開始,病院脱出

本日の痛みレベル=6.0
 やっと,発声禁止が解除された。 恐る恐る声を出してみる。 なんか鼻に抜けて出しにくい。 まだ,喉が腫れているからだ。 声を出したら痛いのだ。
 声も出るようになったし, 主治医のM医師に外泊願いを出す。
難なく許可される。
 とにかく,これで,明日の朝までは大丈夫。 何かしら,痛みも減少してきた。 よし,これなら,アポロ8に行けそうだ。

外泊だ。脱出だ!映画だ。

お隣のアポロ8でスパイダーマン2を見る。 痛み止めは,ほとんど効いてないはずだけど,ぜんぜん痛くない。
もっとも,唾を飲み込む毎に,
あぁ〜,俺は病人なんだ。
って,自覚させられる。
久々の外出。
久しぶりの映画。
無事脱出できて本当によかった。
もちろん,このときは,酷い感染症にかかっているなどと, 夢にも思っていなった。
本当は,映画なんてみてる場合じゃなく, すぐにでも,向かいのSクリニックに駆け込むべきだったのだ。

久々に出勤すると

ただいまぁ
比較的大きな声で言いながら入室する。 皆が怪訝な顔で見る。
「わ,わ,く,くぅ,くぅ,あ,は,は,は。。。。」
「だ,だ,誰ですか? は,は,は,は,は。」
なぜか爆笑の嵐。 入院生活への労いの言葉はない。
「○○○プロジェクトはどうなったのかな?」と小川君に聞いてみる。
「ぷ,ぷ,プロジェクトねぇ,あ,は,は,は,こりゃあ,けっさく。」
会話にならない。
しょうがないので,経理の女の子に留守中のことを聞いてみる。
「○○銀行は,いつ来るのかな?」
「きゃ,きゃ,あ,は,は,はははは,何ですか,その声。いや, おかしい。きゃ,ひゃあ,は,は,は。苦しい。。 それ以上喋らないでください。は,はは,はっ。はっ。は,ははは」
やっぱり会話にならない。
誰も僕の昔の声を覚えていない。
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 2週間ぶりに我が机に座る。感無量である。
よくぞ大学病院から無事に帰還できた
2週間分の仕事をまとめる。 個室を奮発したお陰で,執筆活動はかなり進んだ。

ボルタレン飲んで食事や!

 腹が減ったので, ボルタレンを飲んで,中華を食いに行く。 1時間もしないうちに,効いてくる。
さすが,酸性!
唾を飲み込んでも,全く痛くない。 やっぱり,鎮痛剤って,こうでなくてはいけない。
気分よく,天津丼とギョーザを注文。 天津丼は熱いのでなかなか食べれない。 皿に取って冷やす。 ギョーザはラー油が喉にシムので,醤油と酢だけで作りなおす。
これこそ,人間の食事だ。 いつも来てる普通の中華屋さんが天国に思えた。

ボルタレン様様の夜だった。
が,このとき,どうして,手術から1週間以上経過してるのに, ボルタレンが必要なほど痛いのかなんて, 素人の僕に分かるわけはなかった。
中華食って喜んでいる場合じゃなかったのだ。

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 本日のご教訓
・普通の食事はおいし
・ボルタレンはよく効くのだ
・痛いというのは体が異常を訴えてるのだ。

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