京商 キャリバー 120 (CALIBER 120)



やっと入荷

発売延期され,いやがうえにも期待していた。某雑誌ではボロクソに書かれていて, 巷には悪い噂しか聞かなかった。
それでも日本の京商中華ヘリに負けるわけがない。

左から Walkera 4#3B,Walkera 4#3(2.4G),CALIBER 120


とにかく小さくて軽い。小ささではWalkera 4#3 に勝っている。
どうだ! 見たか! 日本の実力!


噂は本当だった

よし初飛行だ!の掛け声とともに,トリムを調整して離陸!
ちょっと待て。やけにブレードの動きが固い。
マニュアルを読むと,ネジを緩めるように書いてある。
これは,きっと,輸送上の問題だ。と,信じたい。

CALIBER 120 箱出し飛行

あかん。ぜんぜんあかん。
僕たちがヘタなせいもあるが,とにかく飛ばせない。
4#3とはえらい違いや。

リンケージのすり合わせ


とりあえず,メイン・ロータの動きを軽くしてみる。
ロータの軸にプラのハトメが入っていて,これが固い。
タミヤのセラミック・グリスを軸にすりこむ。
ブレード側も爪楊枝でギリギリとすりこんでやる。

次にブレードンバランスをとる。
流石日本製。重さはどちらも0.01g以下の誤差。
動的なバランスは,ほんの少し狂っている。セロテープで補正する。


次にメイン・ブレードのトラッキングを調整してやる。
マニュアルにはリンク・ボールを動かせって書いてあるが, ボールはがっちり接着剤で止められている。
と言うか,ボール位置を動かすと,スタビライザーの効果の比率が変わるから, あかんと思うけどぉ。。。
ということで,羽にペイントして, 定石どおりスタビとメイン・ブレードのリンケージの長さを調整する。
よし,ピッタリや。


次に,各リンケージがスムーズに動くようにグリスを塗って,すり合わせをする。
かなり軽く動くようになった。
は,は,は。これでちゃんと飛ぶぞぉ。。。がんばれ日本製品。
軽く動けばいいんだ。という考えは後に間違いだと気付く。


根性で飛ばしてみる

恐々作業しているので,ここまでで2時間ばかりかかった。
今度こそ初飛行。

CALIBER 120 仕切りなおしの初飛行
なんか,ピクピクしていて,どうもマトモに飛ばない。
あかんぞぉ。
ORCの思想に反して,ちょっとだけ練習する。

CALIBER 120 ホバリングと着陸?

とにかく,スロットルが微妙すぎる。
おまけにジャイロのロックが滅茶苦茶悪く,ちょっとスロットルを絞ると機体が回る。
エルロンやエレベータを少し切り過ぎると,ガクガクしだす。
ラダーはほとんど効かなくて,ついついレバーを倒しすぎると急に回りだす。
安定に飛行するには,エルロンとエレベータは0.5mm以内の操作で, ゆっくり姿勢を変える。
このとき,スロットルはほとんど動かしてはいけない。
さらに,ラダーを同時に使ってはいけない。
姿勢が安定してからだと,少しの操作でラダーは効く。
こりゃあ,難しいぞぉ。

難しいと言う事は,きっと飽きずに遊べるということなのだ。
まだまだやることは沢山ありそうだ。

ヒラーはどこへ行ったの?

スタビライザをいじっていて気が付いたのだが,ヒラーが消えている。
たしかCALIBER 120はベルヒラーという宣伝文句だった。
改めて 京商のHP を確認してみると,ベル・ヒラーという言葉は無くなっていて サイクリックコントロールシステムになっている。
英語のページには, オリジナルのカタログ が残っている。が,これも,もうすぐ書き換えられるだろう。

ムービも1,2は消されている。YouTubeに上がっているムービ1を確認すると間違いなくベル・ヒラーである。
ムービ2は回転停止の機体が写っていないので分からない。
外人が操縦してるPrototypeムービは発売モデルである。

かろうじて,HP下の小さな写真が交換されていないので,ベルヒラーの痕跡が伺える。
左図の赤線のリンケージがなくなっているのだ。
これで変なリンケージがついてる理由が分かった。
もちろん,スタビラザーの羽の角度を変える機構も除去されているので, ヒラー効果はまったくなし,簡単に改造もできない。 これは,ミキシング付きベル安定装置というべきか?

これでは,羽でなくても錘でも同じのはずだ。
なんというこっちゃ。なんか騙された気分や。


スタビラザーの修理


いろいろ調整していて,ついつい机の脚にもろに激突。
スタビラザーが吹っ飛んだ。
予備がないので,とりあえず,修理してみた。
5mm短くなっただけだが,微妙に歪んでいる。
早速飛行。ぜんぜんあきません。

Walkera 4#3のスタビを付けてみる


羽の角度や左右バランスを調整するため,Walkera 4#3のスタビの羽をつけてみる。
オリジナルよりかなり1g以上重い。
こりゃああかんかな,と思ったけど,オリジナルと同程度には飛ぶ。
けど,重くなったため飛行時間が極端に短くなる。
やっぱりスタビ交換やぁ!

テール・トラスの追加

テール・ブームがやけにフラフラしてる。 これじゃあラダーの効きが悪くなりそうだ。
また,ジャイロ制御でもハンチングの原因になりそうだ。
そこで,4#3のときに作ったようなトラスを追加してみることにした。
電池ホルダとテールの足の間に,0.7φのカーボン・パイプを入れることにする。
長さは60mmで,カーボン・パイプなので重さは0.01g以下である。

まず,テールの足を外す。
そこにトラスの止め穴 0.8φ を2個斜めに開ける。
角度は後で調整するのでだいたいでよい。


同様に,電池ケースの後ろ側に,0.8φの穴を2個斜め開ける。


穴の角度を調整する。
すなわち,正しい角度でカーボン・パイプが入るように穴を斜め広げる。
仮組みをして位置を決める。


爪楊枝で慎重に瞬接を塗っていく。
カーボンとプラスチックは瞬接でよく付く。


十分乾かせば完成。と思ったら大間違いだった

メインギアを外そうとしたとき,ふと気が付いた。
外れない。。。。。(汗) そう,足が外れないとモータも交換できないのだ。
俺のあふぉ〜
まぁ,モータ交換までこのままでもいいんけど,仕切りなおし。


足の樹脂とカーボンパイプは本当によく付く。いくらひっぱても接着が剥がれないので切る。

足を固定しているステーに0.8φの穴を開ける。
パイプなので非常にやりにく。ピンバイスで慎重にやる。


外したカーボン・パイプを仮に組み付ける。
角度が違うのでたわんでる。けど気にしないことにする。


瞬接を爪楊枝で慎重に流し込むと完成。

予定通り,テール・ブームはかなり強くなった。
少々の力では序下左右にフラフラしない。


これでテールは完璧やとこのときは喜んでいた。
ところが,全くの間違いでした。 よい子の皆様はマネしないようにね。

メイン・シャフトの安定

それにしても,振動が多すぎる。
左の写真はメイン・ブレードとスタビの羽を外して回転させた状態である。
最高速度で1cmくらいメイン・シャフトがぶれている。
これじゃあ安定しないやろ。


そこで半田を5回ほど巻いて,スタビライザ・バーの上を移動させてバランスをとる。
高速シャッターにてデジカメ写真を撮ると,どちらが重いのかがよく分かる。


何度か試行錯誤して,ほぼ振動を無くすことができた。
少なくともスタビバーに錘をつけることでバランスがとれるということは分かった。



メイン・シャフトの取り外し

なんだかんだと,いじくりたおしていたら,リンケージがグスグスになってきた。
どうも,この機体はある程度,リンケージがしっかりしてないといけないみたいだ。
思い切って,ヘッド・アッセンブリーを交換することにあした。
Walkera 4#3 ですら1回も交換したことがないにぃ。。。。
ますはメイン・ギアを外さないとならない。
メイン・ギアはなんと圧入である。滅茶苦茶変固い。
ノーズ・ペンチを挟み込み,ゆっくり,慎重にこじる。
ベアリングと一緒に外れる。


すっぽっとメイン・シャフトが抜けるかと思ったら,これが,また,ぜんぜん外れない。
樹脂のハトメでがっちりベアリングにはまり込んでいる。
ここもノーズ・ペンチで少しずつこじると外れる。


メイン・シャフトの取り付け

メイン・シャフトはメイン・ギアと同時に取り付ける。
メイン・シャフトをハトメ部分まで軽くいれておき,メイン・ギアを軽く差し込む。
ギアを指で押しながら,シャフトのハトメ部分をノーズ・ペンチでつかんで思い切り押し込む。
けっこう力がいる。


モータの寿命

マニュアルによると,メイン・モータもテール・モータも寿命は20回。
20回飛行するたびに,1500円かかる。 なんじゃこれ!
おまけに電池が1890円。日本製は金がかかる。

メイン・モータの交換

電池を交換しても推力が無くなるとモータの交換だ。
メイン・モータを交換するには,なんと,メイン・ギアを外さないとならない。
メイン・ギアはメイン・シャフトを交換するのと同じ手順で外す。

モータを外す前に必ずコネクタを外しておく。でないとモータがブラブラして細い線が切れる恐れがある。
普通のR/Cヘリとはオス・メスが逆で,何とモータ側がメスになっている。なんでやぁ?
ノーズプライヤではさんで引っこ抜く。


モータ自体はネジ2本外せば簡単に外れる。


Walkera ですらピニオンはモータに付いてるのに,なぜか京商のは付いていない。
新しいモータにピニオン・ギアを付け替える。
旧モータから隙間をニッパでこじて外す。割と軽く外れる。
新モータには半分だけ差し込んで,モータを取り付ける。
メイン・ギアを差し込んでから,モータのピニオンを押し込んでちょうどよい位置にする。
指で簡単に入る。バックラッシュは調整できない。



テール・モータの交換

テール・モータの交換は面倒である。チューブが外れないので,モータ側でリード線を切ってしまう。
外すのも根性がいる。プライヤーではさんで少しずつ回しながら抜く。
新しいモータを取り付けるときは,リード線が後ろカバーの左右から出るように注意すること。
押し込んでからだと修正できない。


半田付けは線が細いのでけっこう難しい。
機体側の線を引っ張り出す。
機体側の線にある旧モータのクズを半田ごてで取りそっと半田メッキする。
被覆が縮むので,先を1.5mmくらいの長さに切る。
機体側の線側にチューブを入れる。細いので熱が伝わりにくい。
モータ線をチョン付けしたらチューブを被せてドライヤでさっとあぶる。
機体側の線を押し込んでおしまい。

最後にテール・ブレードを付ける。
どちら側にも刺さるので,この裏表に注意すること。
凹んでいる方が表面である。
裏表逆にするとテールがロックしなくなる。




で,飛びはどうなんだ?
いろいろ調整も部品交換もしたけど,ダメダメ。
最初の状態から少しもよくなっていない。
流石に操縦も慣れてきたので,飛ぶには飛ぶが,機体はぜんぜんだめ。
腕でカバーは,このHPの趣旨でないので,操縦方法は議論しない。

いったいどこが振動の原因や?
バランスでもなさそうである。
テールでもない。
もっと基本的なスタビライザーのフィードバック制御における振動か?
そうなると,ちょっと手が出ない。
困った。。。。

スロットルについて

スロットルの操作が難しい原因の1つは,中立から上半分しか使えないからである。
どうやら,プレステのジョイスティックを使っているみたいで,一方向のみバネを外すことができない。
さらに,スロットル・トリムは感度調整と思っていたが,そうではない。
トリムという名前どおり,操作位置が平行移動するだけだ。
スロットル・トリムを下げると,ロータが回り始める位置が上の方に移動し, 結果として最高位置での回転数が減るだけである。
役にたたん!
機体がもう少し安定したら,改造にかかる予定だ。


スタビライザーのバランス

YouTube CALIBER 120 β版 をよく見ると,スタビライザの両端に錘のようなものが付いている。


羽自体は0.4g程度なので,5割アップ0.2g程度の錘をつけることにした。
1φの糸半田をだいたい3cmくらい巻きつける。
このとき,リンケージのある側を内側にするのがよい。
実際にロータを回してみて,振動の一番少なくなる点を求める。
バランスがとれたら,錘は瞬接で固定しておく。
不思議なことに,YouTube β版の回転してる動画を見ると,全く振れていない。
どこかでバランスをとっているのだろうけど,動画からは分からない。

因みにメイン・ブレードの角度は関係ない。
SRBやXRBと同様に軽く動くようにしておく。でないと移動できない。
ホバリングだけならともかく,ヘリが移動するときブレードには進角と遅角が起こる。
このとき,ブレードが動かないとバランスを崩す。

テール・ブーム再び

いくらバランスをとっても,エレベータ方向の振動が無くならないので, もしやと思い,苦労して作ったトラスを外した。
正解!
なんと,テール・トラスが悪さをしていたのだ。
この機体のバランスを完全にとることはORCの技術では不可能である。 どこかに振動を逃がすところが必要なのだ。
それがテールだったとは。
電気回路でいうと,発振止めのコンデンサの役目をテール・ブームがしていた。



さらに,テール・スキッドの位置を調整すると,縦揺れがピタリと止まる位置がある。 (機体によっては無いかもしれない)
この振動の根本は,どうやら,ベル安定装置の帰還制御系がショボイために起こっているようだ。
したがって,リンケージの固さとか,各部のガタとかが複雑にからみあっている。
リンケージが適切な固さになれば,割と安定して飛ぶ。
だが,磨り減って帰還系の伝達関数が変化すると,とたんに不安定になる。

CALIBER 120 ホバリングと汚い旋回飛行

エレベータ方向の振れは止まったが,ラダー方向に小さく振れている。
これは多分,ジャイロ感度をいじったからで,いくら調整してもこれ以上にならない。
上下の振れは,操縦がヘタやからである。 せめてプロポを改造しないと,ヘタな僕たちにとってスロットルがシビア過ぎるのだ。

足下に錘をつけたら

錘を付けたら安定するという記事もあったので,ちょっとやってみた。
例のミラクル・マートのおまけでもらったアメンボ。重さ4.3g。
ぜんぜんあかん。前後の揺れが再現できた。
この光景,どこかで見たことあると,よく思い出してみると,そうだ, キーエンスのレボリュータと同じだ。
レボリュータも有線ではなんとか飛んだが,電池をつければ全く同じ症状になる。
ようするに姿勢制御が正しく働いていないのだ。
1円玉1枚を電池のところにはさんで飛行してみたら,やっぱり悪くなった。
どうもバランスのとれた状態なら,重くすることはよくないみたいだ。
(他の機体では分からんけど。。。。)

ジャイロ調整?

可変抵抗器がジャイロ基板の上にある。
てっきりジャイロ感度調整と思っていじってみたが,どうもそうではないみたいだ。
ジャイロが正しく負帰還制御してくれるよう出荷時に調整する可変抵抗のようである。
したがって,むやみにいじってはいけない。
いじるときは,デジカメで写真をとってから,元にもどせるようにする。


ORCの場合,新しい機体が来たとき,必ずひととおりデジカメで撮影する。
何度これに助けられたか分からん! よい子の皆様もぜひマネしましょう!
もう遅い! って言われそうやけど。。。。。。

テール・モータを交換したら,どうもジャイロの効きがおかしいので, せめて,ジャイロくらいマトモに動作してくれれば,この機体ももう少しマシになるのに, という願いをこめつつ,この可変抵抗を調整してみた。
センターから1mmくらいの範囲内でジャイロ調整らしきものができる。
どうも回転角度に応じた挙動が論理的ではない。
何度かやっているうちに,どこか,マシな点がみつかる。
どうマシなんだ? という問いには答えられない。フィーリングである。
スロットルの上下でラダーが回転しにくく,かつ,ラダー制御もだいたいできる点かな?
この可変抵抗器はジャイロ・フィーリング調整だ。
言葉に表せないのでマニュアルには書いていない。

注意
ジャイロ調整中,スロットルを上げたり下げたりするけど,必ず,可変抵抗を動かしたら, 「機体を水平な位置に置いて,スロットルを少し上げて停止。じっと3秒間動かない」 を守ること。でないと,ジャイロが無茶苦茶になる。
落とした後も同じである。
だいたい落としたときはスロットルは0である。その後3秒間はジャイロリセット時間なので動かしてはいけない。
ところが,落としたらすぐに拾う。あたりまえ。 だからジャイロ・リセットが狂いまくる。

水平台から離陸前は,必ず,スロットルをテール・モータだけを少し回して停止。3秒間待つ を守らなければまとまな飛行は望めない。(守っても確率は低いけど)
このとき,スロットル・トリムを+側に振ってると,どうもリセットがかかってないように思う。
意外とこれを忘れて再度墜落。再度忘れてまた墜落。を繰り返してる人は多いと思う。
ヒロボーがオート・ジャイロ・リセットを採用しない理由は,ちゃんとあるのだ。

再びメイン・ブレード

どうも巷では,メイン・ブレードは固めに締め付けるということになっているようだ。
京商もそう言っている。
メイン・ブレードが風圧に負けてスタビとの角度が適正に保てない,という意見もある。
何が正しいのか調べてみた。

回転状態を知るため,ストロボにて高速撮影をした。
発行時間を極端に短くして,最高回転で停止して見えるようにした。
ブレードをゆるゆるにしたときと,固く締めたときと,それぞれ撮影する。
この撮影にはスタビラザーのバランサーを外したオリジナルの機体を使っている。
スタビライザーとメイン・モータとテール・モータは新品である。



まず,最初はブレードをガチガチに締めたときの位置である。
ブレードは正しい位置で回っている。


次に,ブレードをゆるゆるにして自在に動くようにしたときの位置である。
このときも,ブレードは正しい位置で回っている。

この2つの写真を見る限り,ブレードの締め付け具合は無関係なようだ。
それぞれ,正しい位置で,スタビラザーとの角度も保たれている。
メイン・シャフトは振動しまっくているけど,その振動がメイン・ブレードに伝わっている様子も無い。
となると,風圧によりブレード位置が狂うというのは間違っていそうだ。

と言うより,本来,ヘリは風圧によりブレードが動くのが正しい。
この写真のように,ホバリング時は風圧は一定なので動かない。
動き出すと,ブレードに移動のための空気の流れができ, ブレードの回転位置により風圧は異なる。すなわち,ブレードの遅角と進角である。 (機体の右側と左側とで風速が異なる)
もし,遅角進角が起こらないくらいガチガチにブレードを締め付ければ, 風圧に逆らってブレードが回転するため,極端に不安定になる。 これはヒロボーのXRBやSRBで確認できる。
正しく調整されたヘリコプターが移動すると,ブレードの回転位置により,回転方向に少し振動する。
キャリバー120やWalkera4#3程度の小さいラジヘリなら,それほどの振動は起こらないので無視できる。
実機やGP機のでっかいのになると,振動もバカにならないので, ブレード・グリップのところにダンパーを入れ,振動を抑える。

理屈は理屈なのだが,メイン・ブレードを固く締めた方が安定性が高いというのも真実であるようだ。
これは,いったいどういうことだろうか?
振動が少なくなるように角度調整をこまめにするらしい。
この機体を無改造でブレードを外して回転させれば,すごい振動である。 回転体が非対称であるから,これは間違いないだろう。
で,ブレードを付けて振動が治まるということは,ブレードの動的バランスが狂っているのである。
ブレード自身の静的動的バランスはほとんど狂っていない。

ブレード以外のアンバランスをブレードの取り付け角度を変化させることにより,全体としてバランスをとる。
どうやら,このヘンが答えであるようだ。
フラフラと飛ぶ分には,遅角進角が起こらなくても安定性には関係ないのだ。 と言うより,もともと不安定要素が多過ぎて,遅角進角の影響など無視できる。

ブレードの角度を適切に調整するという点で, キャリバー120はラジヘリの範疇には入らないと思う。
ラジヘリとはまた別の遊び, ヘリ風不安定飛行物体操縦ゲームと呼ぶべきか。
ま,趣味なのだから,やってる本人が楽しければよいし, この機体を無改造で自由に飛ばせるというのは,片足で100円ライターの火をつけられるのと同じくらい大いに自慢できることだ。

Walkera 5G6のブレードで驚きの安定

ORCのBBSで,TOSIさんが非常に有益なアドバイスを書いてくれました。
5G6のブレードに付け替えるという全く簡単な改造。 因みに5G6のブレードは5$程度だ。
失礼ながら半信半疑で検証しましたが,まったく正しかった。
4#3Bには遠く及ばないまでも不安定なラジヘリの仲間に入るくらいには論理的な動きに変貌した。これは凄いことです。!!!

ブレードの大きさはほとんど変わらない。5G6の方が少し根元が広い。
重さはオリジナル 1.06g に対して,5G6ブレードは 0.88g, 0.2gほど軽くなっている。
ブレードが軽くなったので,しょぼいベル制御系がよくなったのか?
それとも微妙にブレードの空力特性がマッチしてるのか?


5G6ブレードはM1のネジ穴が空いているので,上から2φのドリルで穴を広げる。
ほんの少し丸ヤスリで広げて,オリジナルのハトメがゆるゆるに嵌るようにする。


いったんかっちり締め付けて,半回転程度緩ませる。
これでブレードは自由に動くので,舵を切ったときの腰砕けはなくなる。


Walkera 5G6のブレードを付けて旋回飛行
まともに効かなかったジャイロまで動き出した。
さらに,ぜんぜんダメダメのサーボまでもが少しは効くようになった。
スロットルの調整は相変わらずシビアだけど,当て舵はそれほど気を遣わなくてもすむ。
こんな簡単な改造でここまでよくなるのは脅威である。
しっかりしろよ日の丸ヘリ!
追記
この記事を読んでいる人に勘違いを与えてはいけないので,追加しておきます。
5G6のブレードに変更して調子よくなったというのは,ORCにあるCARIBER 120話で, 他の機体は全く分からない。何しろ,壊れかけのが1台しかないのだから。
もっと安定度がよくなるCALIBER 120もあるだろうし,当然,全くダメというのもあるはず。
ORCのCALIBER 120も,この改造をしたときには調子よかったけど,いつ悪くなるか分からない。
要するに4in1とサーボとメカの作りが悪過ぎて, メイン・モータとテール・モータの消耗具合や,電池の消耗具合,リンケージの固さまで影響してくる。
因みに,ORCのCALIBER 120は,他のラジヘリ同様, リンケージはスルスル,モータはほぼ新品。動的バランスはハンダを巻きつけてとっている。
2電池くらいは調子よく飛んだ。調子に乗ってブン回していたら激突して,またスタビが折れた。

サーボの交換

TypeSが余りにも調子よかったので,まだあきらめられずオリジナルに挑戦した。
基本的なメカが同じはずだから,適切な処理を施せばType Sと同等になるはず。
相変わらず振動が激しいので,よく観察してみた。 なんと,エレベータのサーボが振動してるではないか。
やけにサーボのモータが熱い。 どうやら,当初のメカ不良のおり,無理矢理飛ばしたのでサーボが故障してしまった。
そりゃあ,あれだけの振動をサーボに与えたら故障しても不思議じゃあない。

旧型のサーボ(82596)は生産中止で,皆様にお教えいただき, やっとType S/R のサーボ(82596B)が入手できた。
外形は変わらないが,新型(82596B)の方が少し強力になっているようだ。
本当は2個同時に交換した方がよいだろうけど,何しろ高価(2300円)なのでエレベータ側だけ交換。

まず,旧サーボのコネクタを丁寧に抜く。
まちがっても線を引っ張って抜いてはいけない。
ピンセットでこじるようにすると抜ける。


旧サーボを外したらサーボ・ホーンのリンク・ボールを外す。
これが,また,小さくて外しにくい。
外すのはマイナスドライバで外れるが,落としてどっかにいかないように箱の中で作業する。
新しいサーボのサーボ・ホーンの余計な部分を切り落とす。
間違えないように旧サーボを良く見てニッパで切る。
リンク・ボールを取り付ける。
これがけっこう大変で,小型プライヤでゆっくり回して差し込む。
半分くらい入ったらマイナス・ドライバで適度に締める。
ネジ・ロックを付けておいた方がいいだろう。

ベル・リンクの変更

Type S のところでも書いたが,TypeSでは,スワッシュのベル・リンクの位置が変更されている。
どうも,これが一番の不安定の原因と考えられる。
こんな短いリンケージが用意されているとは,今まで,誰も気付かなかった。
と言うことで, 左の写真の赤のリンクから黄色のリンクに変更する。
ヘッドが対称でないので,ちょっと大変だ。
まず,ヘッドのリンケージを全て外す。
まず,ブレードを外し,スタビライザーも外す。
ピンを抜いてブレード・ブリップを外す。
ピンは0.8φのピアノ線で片側から押し込み, 片側が出てきたらノーズペンチでゆっくり抜く。
ブレード・グリップが外れたら,180回転させて取り付ける。
方向をよく考えて,ベル・リンクが短い方になるにように取り付ける。
これでおしまい。

BBSにも書かれていたが,たったこれだけの改造で見違えるほど安定する。
ORCの記事を信じて, 人柱になって実験していただいたパタパタさんに感謝いたします。
多分,京商は知っているのでしょう。 せめて,HomePageに発表するくらいの良心があってもよいと思うのは 僕だけじゃあないはずだ。
カメラマンが多忙のため,固定カメラで試験飛行した。
ベル・リンクの位置を変更して試験飛行
これが,全てオリジナルの部品で構成されたCALIBER 120Sである。 フラフラしてるのは,操縦がヘタなだけである。 オリジナルと異なるのは,以下の3点だ。
・スタビライザーにTypeSの真鍮錘を2個追加。
・スタビライザーに半田を追加してバランスをとっている。
・エレベータ・サーボが新型。

ブレードを5G6に変更すれば,もっと安定して飛ばし易くなる。

ブレードの角度再び

試験飛行していると,ときどき,離陸の瞬間よりガクガク・ブルブル震え, そのまま墜落というパターンが何度かあった。(NG集の最後参照)
5G6 ブレードでは起こらない。
ガクガクしてるときの様子をよく見ると, スタビライザーの安定制御がブレードの変化と一致せず遅れているのである。 どうやら,ブレードの質量分布が悪すぎて,うまくちょうどよい位置にブレードが移動しない。 本来高速で回せばすぐにブレード角度は移動するはずだが, ガクガクしだすと,負帰還であるはずの安定制御が正帰還になる。 すなわち発振状態となり墜落するのだ。
5G6 ブレードは根元の幅が広く軽いので発振せずにうまく収まるようだ。

これを防止するには,離陸時にブレード位置を少しスタビライザに近づけておく。
京商サイトによると,ブレードをガッチリ締めて,重量バランスとスタビ制御のよい位置を求めることになっている。そんなアホなことはしない。
ガッチリ締めてしまうと高速回転時進角遅角が起こらず腰砕けとなり墜落する。

各部のバランスはバランスできっちりとる。
ブレードの締め付けはやや固め。先端に15gの錘を付けると動き出すくらいにする。
これで離陸時に進み方向に制御が働き,遠心力でだんだん遅れ方向のちょうどよい位置に収まる。

ベル・リンクの位置を変更して試験飛行(その2)
どうもここらあたりがCALIBER 120の安定化の鍵のようだ。
何度も離陸したが,この方法だとほぼ間違いなく安定して離陸できるようになった。
それでは最後にNG集
CALIBER 120 あっ痛ぁ!!!


キャリバー120 Type S に続く。。。。


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