E-Flite BLADE mSR



超安定シングルロータ

E-Flite社から, 超安定シングル・ロータが発売されるというのは, 随分前から噂されていた。
ORCは注文はけっこう早かったんだけど, 結局,入手まで Hobby Lobby の手違いで1.5ヶ月もかかってしまった。
海外通販は販売店を選ぶことも含めてだ。 いや,日頃の行いの決算と言ってもよいかもしれない。
世間ではずっと噂になっていて,今更,という気がするが, おそらく現在発売されているシングル・ロータの中では, 一番安定している機体である。

とにかく軽い。 実際に計測しても,電池込みで26.9g。 BLACE mCX より0.7g重いだけである。
大きさはほぼ, mCX と同じである。若干ロータ径は小さい。


内部の基板はmCXと同じようだ。
コネクタが逆についているのと, きっと内部のプログラムが異なる。


バインディング

BNFを購入したので,送信機のIDを機体に登録しないとペアリングできない。
mCXのプロポ,MLP4DSMを使う。
このプロポはモード1に改造されている。 詳細は mCX プロポをモード1に を参照されたい。

マニュアルがRTFとBNFでは異なり,なぜかMLP4DSMとのバインディングが書かれていない。
きっと,mCXの方のマニュアルに書かれているのだろう。ちょい不親切
1)まず機体の電池を接続する。青LED点滅。
2)左スティックを押し込みながらプロポの電源をON。
3)ピーピーと音がなってバインディングする。10秒ほどで完了。

箱出し飛行

さて,トリムもほとんど調整しないで飛ばしてみた。
BLADE-mSR 箱出し飛行
これはいい。滅茶苦茶安定している。
同軸反転と同じくらいの安定性がある。 舵を切ると同軸反転のように元に戻る挙動を示す。
mSRはベル・ヒラーらしいけど,ベル比が極端に大きいと思われる。
まだ,それほど飛ばしてないので,明確ではないが, あるレベルを超えると急に走り出し,一旦走り出すと,舵が効きにくいように思う。
室内では右スティックを押し込んだ大人しいモードがよいかもしれない。

どちらにしろ,かなり完成された機体である。 Walkera CB100と比べても, 安定度は同じくらい,操縦性能はmSRの方が高い。
巷で噂されているような,方向のズレもほとんどない。 旋回時の頭上げ下げもほとんどない。 もっとも,受信機側でラダーとエレベータが混合されているため, 旋回にはちょとした慣れが必要だが。
まぁ,これで文句をたれたらバチがあたる。

さて,恒例の手放しホバリングをやってみた。

BLADE-mSR 手放しホバリング

CB100とほぼ同じで10秒程度は手放しで浮かんでられる。 スロットルさえ調整すれば,ほとんど舵を切らなくてよい。

1電池飛ばして少し慣れてきたので,旋回飛行をしてみた。
BLADE-mSR 旋回飛行
細かい旋回はぎこちないのは,ヘタだからである。
二人でお話しながら自由に飛ばせるのは,とにかく凄いことだ。
簡単すぎるぅ〜 これりゃあ堕落するぞ!!
男の子は 4G6で思い切り振り回わすべきだ。

ゆったり飛ばすと,1電池で約6分30秒ほど飛んだ。
そのときのモータ温度は43度(室温27度)である。 ぜんぜん問題ない。続けて飛ばせるくらいだ。
ただ,電池切れのときのオートカットが少し急過ぎる。
電池切れ近くなると受信機が誤動作するという報告もある。
早目に切り上げて着陸させる方がよいだろう。



SPEkTRUMのプロポはIDが送信機により決まっている。
京商のCALIBER 120 も同じだ。ID登録した送信機しかペアリングができなくなる。
Walkeraの2.4Gプロポは電源を投入する度にランダムにIDを与えている。 (Walkeraプロポ WK-2801では固定IDも選択できる) したがって,バインディングという操作がなく,どの送信機でもペアリング可能だ。 どちらも,さして不便はない。
追記
takさんの掲示板で,この表現がmSRとWK-2801がペアリングできるように勘違いされた書き込みがありましたので,追加訂正しておきます。 WalkeraプロポはWalkeraの機体しかペアリングできません。 WalkraのプロポはWalkera機体の登録という処理がない。という意味です。
さらに,2.4Gプロポはメーカが異なるとペアリングできる可能性はほとんどありません。

SPEkTRUMだと送信機が1台しかないと,mCXとmSRは同じIDが与えられる。
と言うことは,同時にペアリングができて,同時に操縦できる。
そんなアホなことをやるのがORC。早速やってみた。
BLADE-mSR mCX 同時に操縦
どちらかが,必ず墜落するので,よい子は真似しないように。

部品の心配

何しろ簡単に作ってあるので,調整箇所はどこもない。
と言うことは,どこか痛めると部品交換しか修理の手立てはなくなる。
特にスタビライザーの支持は何もなく,テーパ状のリンクでメイン・シャフトと接している。 この部分の寿命がどれくらいあるのか大変心配なところだ。
おまけに,部品が国内では入手できない。 送料がバカ高い。とくれば,そう簡単には壊せない。

プロポのアンテナ改造



BLACE mCXとmSRのプロポは,アンテナが折れない。 操縦中は別に邪魔になるわけではない。 保管するとき,プロポが立たない構造なので,すごく場所を食う。
どうせ室内で飛ばすだけなら,アンテナなんて無くても問題はない。
プロポの蓋を開けて,アンテナ部分のプラの棒を取り外した。 アンテナ自信の線はケースの中に添わしておく。
これで,会議室で飛ばす分には全く支障なく使える。

ロータ・ヘッドの修理

ついに壊してしまった。
O君が激突して,ロータ・グリップを2個組み合わせているネジの部分が割れた。 国内で部品はまだ供給されていないので,とりあえず修理することにした。 ABS樹脂なので,アクリサンデーが使える。
セロテープで仮組して,アクリサンデーを慎重に流す。
固まるまでしばらくかかる。


アクリサンデーは固まるまで少し時間がかかる。
ABS樹脂が溶けた状態が数秒ある。
その状態のときに,手早く形を整える。

アクリサンデーを使うときはマスクを着用した方がよい。
また,手に付着するとあまりよくないが, そんなことは気にせず,しっかり整形する。


スキッドの修理

O君の乱暴な操縦で,スキッドとフレームを止めてるポスト・ピンを折ってしまった。
左写真の赤矢印の部分だ。
ここに細い2mm×1.3mmの楕円のピンが立っている。


おまけに,そのピンはフレーム本体に埋まってしまっている。
左写真の赤矢印の部分。
こうなってしまったら,ニッパとか爪切りとかで挟んで, 抜こうなどという無茶な努力はしてはいけない。
かえって,傷口を広げるだけだ。

そこで,0.3φのピンバイスの登場。
中心に熱した針で凹みをつけ,慎重に0.3φのドリルをねじ込んでいく。
5mmくらい入ったら,ゆっくり,慎重に,まっすぐ抜く。
0.3φのドリルは非常に折れやすいので注意してください。


最初,それほど力のかかる部分でないので,アクリサンデーで補修しようとした。 残念ながら,ナイロン樹脂らしく,アクリサンデーは使えなかった。

しょうがないので,ORC得意の軸打ち法を使って固定することにした。
ピンの中心に0.3φの穴を開け,そのまま先まで貫通させる。
このとき,対象物のピンをベンチで挟むとかすると,ドリルを折ることになる。
対象物は指でしっかり固定して,貫通したとき,少しくらい指に穴があいてもいいや という気持ちでがんばる。
0.3φは突き刺しても意外と痛くない。


目出度く貫通すれば,0.3φのピアノ線を貫通させる。
突き出たピアノ線の先をペンチで十分潰す。
これは抜けないようにするためである。
左写真赤矢印の部分であるが,横から撮影してしまっているので潰れているように見えない。

十分潰したら,瞬接を少し流して,突き出たピアノ線部分をプラのピンに押し込む。
ペンチを使って十分に押し込んでおく。
押し込め切れなかった部分はヤスリで削り落す。


スキッド側の同じ位置に0.3φのピンバピスで貫通穴を開ける。
先ほど修理したピン部分を途中まで挿入する。
瞬接を流して,奥までつっこみ,角度を調整する。
ノーズ・ペンチで,スキッド側に突き出た部分を直角に曲げる。
(写真赤矢印部分)
これで,抜けることはない。オリジナルより強いのだ!!!


再度ロータ・ヘッドの修理

アクリサンデーで固めたヘッドは,ワン・クラッシュで簡単にバラバラになってしまった。
やはり,ピアノ線を入れないとダメみたいだ。
今回は0.3φのピアノ線でしっかり留める修理をする。


いつものように,0.3φのドリルをピンバイスに付けて,穴をあける。
センターに深さ5mmくらいの穴をあける。
予め熱した針で穴あけセンターを凹ませておくのがコツである。
0.3φのドリルは折れやすいので,注意する。


今回は,ピアノ線を両端で折り曲げすることができないので, 抜けにくいように少し工夫をする。
刃の鈍ったニッパやラジペンを使って,ピアノ線に数ヵ所キズをつける。
直径よりやや広い部分ができればよい。
これで,抜けにくくなる。


さらに,今回は瞬間接着剤にLOCTITE 410を使ってみた。
高粘度でプラスチック,金属の接着に適している。
さらに,黒色なので目立たない。


両方穴を開けたプラスチックの破片を,キズを付けた0.3φのピアノ線でつなぐ。
ピアノ線に接着剤を少し付けて,しっかり押し込む。
もう片方は,ピアノ線とプラスチック断面にも少量の瞬接をつけてしっかり押し込む。
これで完成。



つづく。。。

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