京商 キャリバー(CALIBER) 120 Type S



やっと入荷

またまた発売延期され,今度は大して期待もしてなかった。 ORCのBBSに「いいぞ!」って書込みがあり,急いで購入。
旧キャリバー120は,ボロクソに書かれていて, 巷でも悪い噂しか聞かなかった。
それでも日本の京商中華ヘリに負けるわけがない。 なにしろType Sである。

いったい何が変わったのか?

巷では無茶苦茶安定していると噂されている。 余り暇もなので,さっと旧120と見比べてみよう。

  • キャノピー
    長さを短くして,横に大きくなっている。 これで内部にかなりの空間ができる。 モータの放熱も多少はよくはなるであろう。
    キャノピー取り付け部分の幅が広くなっているので, フレームが変更されているかと思ったら, なんと継ぎ足しピンで幅を広げてキャノピーを取り付けている。
    プラ部品の型変更は最小限に留めたという涙ぐましい企業努力だ。
  • スキッド

    旧120は安定志向のけっこう面積の大きなスキッドが付いていた。 これが,電池ホルダーに直接くっついていたので, かなり弱くて,ちょっと落とすと根元が折れる。
    Type S はナイロン製でかなり改善されている。 電池ホルダーとは別に底にがっちりくっついている。 少々落としても折れそうな気配はない。 このスキッド取り付けの部品は新しく作ったようだ。
    スキッドはよくできていて,アメンボと簡単に交換できるようになっている。 ここだけ見れば, Walkera 4#3B には勝っている。

  • テール
    旧120のテールには,割とかっこいい薄いプラカバーが付いていた。 ところが,すぐに外れてしまい,接着してもまた外れる,の繰り返しで, 結局外してしまった。
    Type Sは,改良と言うか,なんと言うか,訳の分からんプラ板2枚が ホットボンドでがっちり接着されている。 それも微妙に傾いている。何か意味があるのか?と考えてしまう。
    テール・モータは同じに見えるが,実は違う。品番が異なるらしい。
    らしい,といのは,スーラジに発注したけどまだ入荷してないとのこと。(09/8/21現在)


  • スタビライザー
    スタビライザー に最初から錘が付いている。 真鍮製でスタビの軸にかしめるような野蛮な作りだ。
    試作品には付けていたんだから,旧120発売時なんで外してしまったのか 理解に苦しむ。
    どうせマトモに飛ばんのやからいいやぁ
    というノリだったんだろう。(真実は知りません)

  • 内部
    キャノピーを外して内部を見てみる。 基板類は同じようだ。サーボも同じ。 ただサーボ・ホーンの余分が切断方法が変更されている。
    大きな違いは, メイン・モータが少し大きくなっていることだ。 もろもろの変更のせいか, 全備重量は,旧120が30.3gに対して,Type Sは33.7gと3.5gほど重くなっている。

    たったこれだけの変更で,これほど安定するのか? と不思議に思うのは僕だけじゃあない。
    が,よく考えると,メイン・ブレード5G6のに変更するだけで,見違えるように変わるくらい 旧120の出来が悪かったんだから,当然の結果かもしれない。
    ところで,一番のキモはメイン・ブレードのはずだけど, どうやら,同じモノのようだ。
    ようだ,と言うのは,旧120のブレードがどこにいったか見つからない。
    もし見つかったらType Sに取り付けて飛ばしてみれば分かる。

    アメンボを付けて初飛行

    Type Sにはかなり出来のいいアメンボが付属している。 オリジナルの足を引っこ抜いて,アメンボを差し込むようになっている。
    とりあえず,初回はアメンボを付けて飛ばしてみた。


    トリム調整もなしの,本当の箱出し飛行である。
    CALIBER 120 Type S 箱出し飛行
    スロットル調整がやや困難ではあるが,ホバリングは普通にできる。
    舵もちゃんと効く。 が,相変わらず機体はエレベータ方向に振動している。 ドヘタな僕たちでもまともに浮かんでられるんだから, 旧120に比べたらかなり良いだろう。

    通常のスキッドで初飛行

    今度は通常のスキッドで飛ばしてみた。
    CALIBER 120 Type S 2回目の飛行
    調子よく旋回しようとしたら,電池が切れた。
    全備重量が増えた分,飛行時間も短くなっている。
    ゆったり旋回して4分30秒である。 連続飛行後のモータは手で触れないくらい熱い。

    旧120 の出来が余りにも悪かったので, ヨタヨタとホバリングできるだけで, なんと安定してるのかと感激してしまう。
    が,客観的に見ると,決してできのよい機体ではない。 ホバリング中は絶えず振動してるし, 少し姿勢を崩すと簡単には復帰できない。
    左回りでは強烈な頭上げが発生する。 ジャイロのロックも決してよくない。
    加えてプロポが悪すぎる。バネが硬すぎて細かい操作がやりにくい。
    スロットルにバネがない分,今度はエルロンとの差がありすぎて, 無茶苦茶やりにくい。 おまけにこの部品はバネを弱くできない。 いっそうのこと,バネなんて外してしまった方がよいかもしれない。

    テールの板の意味

    最後尾斜めの1枚を外して飛ばしてみた。
    まちがいなく振動が増えている。 どうも円を描いた振動のようだ。 スタビライザの角度が悪い,という意見もあるが,これは簡単に確認できない。
    とにかく,最後尾の板を付けると,幾分振動が現象するのは間違いない。

    メイン・シャフトの安定

    旧120 の稿で述べたが,Type Sも旧120と同様, メインシャフトは全くバランスがとれていない。 メイン・ブレードを外して回してみると,ものすごい振動だ。
    前回と同様に,スタビライザーのシャフトに糸ハンダを2,3回巻きつける。
    実際に回転させて振動が無くなる点を見つける。
    ハンダには瞬接を必ず流しておくこと。
    ハンダはすぐに緩んで一番端に移動してしまう。


    バランスを取り直した機体で飛ばしてみると,振動が減り,かなり飛ばしやすくなる。

    5G6のブレードに交換

    前回の120と同様, Type Sにも5G6のブレードを取り付けてみた。

    これがまた凄い。旧120ほど劇的な変化はないが, 確実に安定する。
    特にスロットルに対して鈍感になる。 振動もラダー方向に僅かに残るだけだ。


    Walkera 5G6のブレードを付けて飛行
    かなりよくはなっているんだが.....
    旧120は Walkera 4#3 の初期ロットより随分下であったが, 今回はほんの少し下のレベルである。
    どちらにしても,現在の4ch室内機の中で最低レベルの存在であることは間違いない。

    CALIBER 120 Type S NG集

    メイン・モータの温度

    飛行後,メイン・モータがやけに熱い。滅茶苦茶熱い。
    とにかくいつもの温度計を用意して, 3分30秒くるくる旋回飛行した後計測した。
    なんと,96度(室温30度)!!!
    こりゃあすごい。
    まだ10電池も飛ばしてないのに,そろそろメイン・モータが弱ってきた。
    当然と言えば当然か?


    電池の充電

    プロポから充電すると,すぐに4本のアルカリ電池は無くなってしまう。 最もよくないのは,送信機としては十分使える容量があるのに, 充電できないことだ。なんか電池を交換するのがもったいない気がしてならない。
    一番よい方法は京商が用意している充電器を購入することだ。 たったの3,500円で安全が買えるなら安いものか?
    ところが,販売店に在庫が無い。 しようがないので,何とか作ることにした。
    一杯余っているWalkeraの1セル用充電器を使ってみよう。
    ただし,CALIBER 120 の電池は150mAHで,Walkeraの1セルは400mAHである。
    ちょっと充電電流が多す過ぎる。
    以下は間違うと非常に危険なので自己責任でお願いします。
    京商の電池はラベル側から見て,下側が+極で,上側が−極である。
    Walkeraの電池は電池のケーブルの赤色が+極である。


    変換ケーブルそのもは,京商側の電池コネクタをWalkera仕様に変換するだけ。
    Walkeraの電池と同じ太さのケーブルを使ったので苦労した。
    もっともっと細い線で十分である。


    変換コネクタができたら,用心のため,テスターで電圧をあたり確かめる。
    念のため,適当なWalkera機に接続して動くかどうか確認する。


    恐々Walkeraの充電器につないでみる。
    ちゃんと充電できる。
    電池の温度はほとんど上昇しないので,大丈夫と判断。


    充電電流は変化するので簡単には測れない。
    とりあえず, カーレント・プローブで平均電流を測ることにした。
    充電当初は400mAくらい流れた。 ところが徐々に電流は落ちてゆき,200mAで落ち着く。
    どうやら,Walkera 1セル充電器は電圧検出型のようで, うまく電流が減ってくれる。
    もともと200mAしか流れないのかと思って, 400mAHの電池をつなぐと,ちゃんと400mAで充電する。 Walkeraにしてはよくできている。
    CALIBERの電池は150mAHなので,充電電流200mAは少々多い気もするが, まぁ,よしとしましょう。

    とか言って,調子にのって充電してたら,えらいこっちゃ。
    JSTコネクタの中でショート。
    燃える一歩手前で気付きました。
    くわばら,くわばら。

    JSTミニ・コネクタに余り太い線を無理矢理突っ込むと,中心の隔壁がめげる。
    それも抜き差ししてる間に徐々に隔壁に亀裂が入る。
    で,最後にショート。怖いですねぇ。

    JST標準の細い線に変更しました。
    良い子は真似しないように!!!


    電池を作ってみる

    電池くらい買えよ!って言われそうだけど, 面白い電池が入手できたので,Type S用に作ってみた。
    ロビンから HYPERION 1セル 120mAh 25C (HP-LG325-0120-1S 430円) と 240mAh 25C (HP-LG325-0240-1S 520円) を購入した。
    400円500円で25Cですぞ!
    純正電池が1,300円もすると,ついつい作りたくなるのだ。

    標準より小さい電池を作る

    JSTミニ・コネクタの端子に0.6φの錫メッキ線をかしめ,ほんの少し半田付けする。
    本来圧着端子は単線をかしめるようにはできていない。
    ものすごく苦労する。
    今から思えば細いより線でもよかったような気がする。


    錫メッキ線でコネクタを作ったら,電池の端子にハンダ付けする。
    ショートしないように注意しても,1回や2回はショートする。
    火花は出るけど気にしない。


    最後に接続部分にエポキシ接着剤を塗って成型する。
    細いより線でもここできっちりエポキシで固めたら問題ないように思う。
    とにかく完成。


    標準より大きい電池を作る

    旧CALIBER 120 の寿命の終わった電池から,コネクタ部分を外す。
    ビビりながら,プライヤでつかんで引っ張ると外れる。
    外皮の傷ついた旧電池はすぐに処分しよう!


    240mAhの電池に端子を半田付けする。
    少しオリジナルより厚いが,押し込むときっちり入る。


    隙間にエポキシ接着剤を流し込む。
    これで完成。


    左から,
    純正 150mAh 5g ??C
    HYPERION 240mAh 25C 7g
    HYPERION 120mAh 25C 4g


    で,早速充電。飛ばしてみた。
    120mAhは1g軽いのが効いているのか,飛行時間は5分で純正と変わらない。
    25Cの威力は強烈でスロットルを上げるとすぐに天井に激突する。
    はっきり言って操縦しにくくなった。モータにも良くないだろう。
    240mAhは2g重いので5分と少ししか飛ばない。
    重くなった分,重心が下に来て安定するが,やっぱり25Cが効いてスロットルに過敏である。
    慣れればいいかも。
    が,その分モータに負担がかかるのであまりよくないかもしれない。

    双方とも,欠点は重心が後ろに寄ってしまうことだ。 装着位置が後ろで,かつ短いので,純正に比べて後ろに寄る。
    ところが,この短い電池の方が,メイン・シャフトの真下に綺麗に取り付く。
    CALIBER 120のエレベータ・トリムは著しくサーボ変化幅を小さくするので, サーボ・ホーンを回して調整してみるとよいかもしれない。 (なんか怖くてサーボがいじれない)

    ベル・ヒラー化

    そもそもCALIBER 120はベル・ヒラーとして設計されている。 常人には計り知れぬ紆余曲折があり途中でヒラーが外されてしまった。
    それでもヒラー・リンクの一部は残っているので,少しの改造でベル・ヒラーに変身する。
    出来の悪い子ほど可愛いと言うか,何と言うか, この子が少しでもマトモになるかどうか気になって, このクソ忙しいのに改造に着手した。

    スラビライザー分解

    ヒラーを付け加えるには,スワッシュの動きに応じてスタビライザーの角度が変わればよい。
    となると,現在のスタビ・バーはT字ヘッドにガッチリ固定されているのでダメである。
    まずCALIBER 120のパーツを加工して部品を作たなければならない。

    リュータでスタビライザーの羽に溝を掘り,カーボン・シャフトを外す。
    無理に引っ張っても折れるだけだ。

    同様にT字ヘッドからスタビ・バーも外す。
    他の部分に傷つけないように注意して切る。
    運のよい人はスタビ・バーの接着が弱くて,切らなくても外れる。
    (実はType Sはスタビバーが回っていて,瞬接を流し込んだ)


    ブレード・フォルダ(京商名:ヨーク&ミキシングレバーセット) のブレード・グリップの部分を削り落として, スタビライザー・バーを回転させるためのリンケージを作成する。
    中の□の部分にT字ヘッドが入り込むので, □の短辺をかなり広げる必要がある。
    もともとピンの通る穴に,スタビ・バーが通り,固定されるのである。


    T字ヘッド作成

    スタビ・バーを取り除いたら,スタビライザーの角度を可変にするため, 外形1.4φ内径1.0φのアルミパイプを接着する。
    CALIBER 120のスタビ・バーは0.8φのカーボン・シャフトであるが, 実際には0.8φより少し太くて内径0.8φのアルミ・パイプには入らなかった。
    内径1.0φのアルミパイプがちょうどよかった。

    まず,1.4φの半円を慎重に作る。
    リュータで大体削って,1.4φのドリルで整えると綺麗になる。


    1.4φアルミ・パイプを0.5mm程度はみ出るくらいの長さに切って,瞬接で仮止めする。
    中心に接着されていることを確認して,エポキシ接着剤できっちり固定する。
    稼動部分に流れ込まないように注意する。


    スタビライザー・バー


    それぞれの部品が出来上がったら,スタビライザを組み立てる。
    0.8φのカーボンシャフトを98mmに切断する。 付属のアメンボがちょうどよい。
    向きを間違えないように瞬接で仮組みする。
    スタビー・リンクの四角部品はセンターでスタビ・バーと固定する。
    T字ヘッドに接着剤が流れ込まないように最新の注意を払う。

    スタビライザーの錘の中に差し込まれている カーボン・シャフトは先端を潰しておく。
    先に彫った溝より広く潰し瞬接で固める。
    飛行中の抜けを防止するためである。



    スタビ・バーがスムーズに角度が変わることを確認したら,エポキシ接着剤で固める。
    T字ヘッドに接着剤が流れ込まないように最新の注意を払う。

    ヒラー・リンケージの作成

    もともとスタビ・バーとブレード・ホルダーを接続していたリンケージを加工する。
    と言うか,CALIBER 120のリンケージで調整ネジが付いているのは,このリンケージだけだ。
    M1.0のネジと内径1.0φのアルミ・パイプで23mm長のリンケージを作る。



    M1.0のネジをアルミパイプにねじ込み,先端をカットする。
    ヤスリで丁寧に先の整えて,リンケージ・エンドをねじ込む。
    アルミ・パイプを9mmでカットし,反対側にオリジナルのリンケージをねじ込む。
    全体で穴中心から穴中心まで23mm程度あればよい。

    ベル・ヒラーヘッド取り付け

    それぞれの部品ができたら組み立てる。
    まずスタビライザーを苦労して取り付ける。
    ピンがなかなか入らない。
    ベル・リンクを付け,ヒラー・リンクをはめ込む。
    スタビライザーの角度が,下部ヒラーリンクの棒と平行になるように調整する。
    純正のスタビライザーの錘もつける。


    ブレードを外して回してみる。
    スタビラザーの角度がスムーズに変化するかチェックする。
    ベル・リンクの反対側にハンダを巻きつけて,振動が一番少なくなる点を探す。
    位置が決まったら,ハンダを瞬接で固定する。
    ベル・ヒラ化改造により,全備重量は33.8gとなり,オリジナルより0.1gだけ重くなった。



    CALIBER 120 ベル・ヒラー 初飛行
    カメラ・マンが忙しくて相手になってくれないので,固定カメラで撮影した。

    残念ながら,オリジナルより安定性は悪くなった。
    しかし,ヒラーの追加により,かなり急な大舵を切っても腰砕けになることはなくなった。
    飛ばしていて,どこかで感じた操縦感覚だとしきりに思った。 そうだ。これは 初代Walkera 4#3 にそっくりなのだ。
    こりゃあ難しいぞぉ。 恐ろしくて左旋回はできない。 でも,オリジナルよりは面白い機体になった。
    ORCの思想に反するが後は腕だけ

    ベル・ヒラー比は?

    今の今まで気付かなかったが,CALIBER 120のベル・リンクの位置が変更されている。 と言うか長さが異なるリンクが付いているなどとは思わなかった。 初代120は間違いなく長い方(赤矢印)にリンクされていた。
    Type Sは短い方に変更されている。
    短い方だとスワッシュの制御が半減する。 過制御だったベル安定装置がちょうどよくなるのか?
    どうやら,Type Sの安定化の秘密が分かったような気がする。
    旧120でも短い方のリンクにやりかえれば,かなり安定するのではないかと思われる。
    部品取りに使ったので,確認することができない。誰かやった人はお教えください。

    本題のベル・ヒラー比である。
    ベル・リンクに比べてヒラー・リンクは2倍程度長い。
    ヘッドの部分のミキシングは1:1なので, 全体的にベル・ヒラー比はおおよそ1:2になる。
    Walkera 4#3 ではちょうどよかったが,CALIBER 120では, きっとヒラー効果が大き過ぎるのだ。
    せめて1:1位にして実験してみたい。
    ヒラー・リンクの位置を変えるには,これ,また,一苦労!!!
    どこまでも考えさせてくれる機体だわ。

    T字ヘッド修理

    ベル・ヒラの飛びはどうだ?なんて,調子にのって飛ばしていると, 鋼鉄製の机の脚にクラッシュ。T字ヘッドからスタビ・バーが吹っ飛んだ。
    どうやら,エポキシ樹脂が全く効いてない模様。
    アルミ・パイプの接着面に細かい傷をつける。

    T字ヘッド側も1.4φのドリルで十分に接着面を整える。

    瞬接を稼動部にはみ出さないように慎重に塗る。
    しっかり接着。
    最低限6時間くらいは飛ばすのを我慢する


    ベル・ヒラー比の調整

    数々の飛行実験の結果,やっぱりヒラー効果があり過ぎるのが操縦を難しくしていることが分かった。
    そこでベル・ヒラー比を1:1程度にしてみることにする。
    ヒラー・リンクを左の写真の赤矢印のところに移動させる。
    リンク・ボールを1個増設すればよい。


    CALIBER 120のリンク・ボールは他の小型ヘリと全く互換性がない。
    ゆえにCALIBER 120の部品から作るしかない。
    ラジアスアームをヘッドから外し,このリンク・ボールから作ることにする。


    加工するときは,大きいままの方がやりやすいので, 切り取るのは最後にする。
    まず,中心に0.3φのドリルで慎重に貫通穴をあける。
    指に0.3φの穴があいてもいいやくらいの根性を入れる。
    0.3φのドリルはすぐに折れるので,力は入れてはいけない。
    0.3φのドリルが指に刺さっても案外痛くない。


    穴が開いたら,0.3φのピアノ線を差し込む。
    ピアノ線の先端をペンチで十分潰す。
    先端部分に瞬接を塗って,リンク・ボールを潰れた部分に押し付ける。
    平ペンをうまく使い,間違っても引き抜くようなことはしてはならない。


    リンク・ボールの先端をよく磨く。
    写真はガラス・ヤスリである。


    5mm位残して,ピアノ線を切る。
    切断面をガラス・ヤスリでよく磨きこころもち尖らせる。
    リンク・ボールだけをニッパで切り取り,形を整える。
    これで部品は出来上がった。
    接着剤が乾くまで1時間ほどおく。


    ラジアスアームの曲がった部分の少し内側に,0.3φの穴を開ける。
    先ほど作ったリンク・ボールに瞬接を少しつけ, ピアノ線を穴につっこむ。
    裏側に出たピアノ線の先端を90度曲げる。
    裏側のピアノ線にも瞬接を流しておく。
    角度を調整して,接着剤が乾くのを辛抱よく待つ。



    ヒラー・リンク棒は,以前より少し長くなる。
    かつヘッド(ヨーク)のミキシング・アーム取り付けピンと干渉するので, 残っていた突起を削り落とす。
    リンク棒はほんの少し曲げる。
    これでベル・ヒラー比,ほぼ1:1のリンクの出来上がり。

    改良ベル・ヒラー120試験飛行

    CALIBER 120 ベル・ヒラー改 試験飛行
    無茶苦茶よくなった。安定性はオリジナルとほぼ同じ。
    ヒラーの効きを抑えたことにより,低速時はベルが働き, 高速時はヒラーにより姿勢が立ちなおせる。
    Walkera 4#3B にかなり近づいた感じだ。
    左旋回時,エルロンが左に傾く現象も軽減され,ずいぶんやりやすくなった。

    修理編

    最近,ベルヒラーCALIBER 120が気に入って,こればっかり飛ばしてる。
    飛ばす回数が増えると,当然のことながら壊す確率も上がる。

    スキッドの修理

    ポンと軽く落としたつもりなのに,当たり所が悪かったのかスキッドが折れた。
    スキッドを差し込んである根元が折れた。 折れるはずがない所を折るのがORCである。

    でもめげずに,いつもの軸打ち法で修理する。
    これだけ回数をこなしていると,流石に上手くなる。 操縦の腕は上がらないけど,修理の腕だけは随分向上した。
    このスキッドの修理なんでものの5分で終わってしまう。 ラジヘリ修理の選手権があれば,ORCはけっこういい線いくんではないか。


    まず,スキッド側に0.5φのドリルで中心に穴を開ける。
    穴が空いたら,0.5φのピアノ線を瞬接を付けて差し込む。
    差し込んだ後,4mmほど残して切断する。


    折れた片割れも同じ様に0.5φのドリルで中止に穴を開ける。
    深さは4mm程度あればいいだろう。


    瞬接を付けて,ピアノ線に折れた側を差し込む。
    予めピアノ線を少し尖がらせておくと作業がしやすい。

    これで出来上がり。
    この場所は2度と折れることはない。



    つづく。。。。

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